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派遣業の現状
(有)辻技術経営研究所 所長
辻 秀志
odawara_tsuji@ybb.ne.jp
昨今の労務状況は多様化し自由度も増した。かつては正規社員、定期入社、終身雇用、が基本であったが、最近は採用時期も年中OKで、雇用区分もいろいろである。
ここでは、最近特に多用されている派遣社員(派遣スタッフとも呼ぶ)を送り込む派遣業と派遣先企業に焦点を当ててその現状を紹介し、課題を提示する。平成11年に法制化され、16年3月に製造業への派遣が可能になり、現在派遣できない業種は建設業と港湾運送業と僅かである。業務を管理するのは派遣先であるが、給料を払い、苦情を聞くのは派遣元である。
厚生労働省の平成13年度調査報告によれば、派遣スタッフを多用している業務は、事務機器操作が42%(25万人)、財務処理12%、取引文書作成7%、ソフトウエア開発、ファイリング、機械設計が各6%と間接業務が主体である。厚生労働大臣の許可が必要な登録型の「一般労働者派遣」の登録数が200万
人、届出による常用型の「特定労働者派遣」は38万人で、いずれも平成13年以降急増している。「登録型」の一般派遣は登録しておいた者を派遣するが、派遣期間3ヶ月以下が70%、6ヶ月未満が90%と短い。「特定型」は契約し雇用しているスタッフを派遣するが、専門的業種であり、派遣期間6ヶ月以上が半分を超えている。長期間同一人を受け入れる時は直接雇用を申し入れる義務がある。
派遣スタッフを受け入れる理由は欠員補充の迅速確保、一時的補充などが主体だが、人件費が割安、特別な知識技術が必要、正規人員の抑制、管理負担の軽減、教育訓練が必要ないなどの経営負担の軽減に意味を置くものも多い。派遣スタッフになった理由は、専門的技術や資格が生かせる、自分の能力を生かせる、仕事の範囲や責任が明確などを挙げる者も多いが、就職先が見つからない、見つけるまでのつなぎとする者も多い。賃金は固定化しやすいが、それでも賃金水準が高い、仕事内容が選べるなどと好感する者もいるのは異な感じがしないでもない。現代の若者気質の違いであろうか?
派遣に関するトラブルは業務内容や派遣期間の変更、派遣先での指揮命令者の不明確さ、派遣契約書と実際の相違、有給休暇、作業能率不足、受入前の準備不足、社会保険などいろいろ起こりがちだ。派遣業側の問題として人材の発掘と保有の難しさ、人材教育や安全教育の配慮、勤続期間と身分の変更、派遣会社の選定ルートの発掘、そして派遣社員の満足度形成などがあろう。アルバイト、パート、契約社員、嘱託社員などと類似しているが、「派遣」と違うのは全て仕事をする雇用企業側に雇用責任がある。派遣業では業務管理は派遣先で、雇用責任は派遣元企業にある。請負業では雇用責任も業務責任も請負会社にある。違いを理解して活用してほしい。
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